♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,必要条件と十分条件(不等式の問題)のバックアップおよびマイナーチェンジありのカバー版です. ♫♣ 元の教材が通信トラブルで読めないときや,元の教材がなくなってしまったとき(高齢者がいつまでも生きている訳ではない)などに,こちらを使ってください.なお,学習の記録は付いていません.
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** このページでは,不等式の問題を扱っています ** 《1》 x>1はx>2であるための( )条件 |
〇→
x>1であってかつx>2でないものがあれば,反例となり,成り立たないことの証明になる. x=1.5を考えると,x>1であってかつx>2でない. したがって x>1x>2 は成り立たない 〇← x>2ならばx>2>1だから x>1x>2 は成り立つ 〇⇄ 以上により,x>1x>2 〇答 x>1は,成り立つ側の矢印(左向き矢印)の先にあるから,x>1(であること)は,x>2であるための「必要条件」 |
《2》 a>bはa2>b2であるための( )条件 |
〇→
「a>bであって,かつa2≦b2」である例を示せば,「a>bならばa2>b2」の反例になる. 例えば,右図の赤色で示した a=−2, b=−4の場合,a=−2>b=−4であるが,a2=4<b2=16となるから a>bならばa2>b2 は成り立たない. (他の例:a=1, b=−3の場合も反例として使える) 〇← 「a2>b2であって,かつa≦b」である例を示せば,「a2>b2ならばa>b」の反例になる. 例えば,右図の赤色で示した a=−4, b=−2の場合,a2=16>b2=4であるが,a=−4<b=−2となるから a2>b2ならばa>b は成り立たない. (他の例:a=−3, b=1の場合も反例として使える) 〇⇄ 以上により,a>ba2>b2 〇答 どちら向きの矢印も成り立たないから,a>b(であること)は,a2>b2であるための「必要条件でもなく十分条件でもない」
図で考える場合,a−b>0の集合をP(桃色斜線),a2−b2=(a+b)(a−b)>0⇔の集合{(a−b>0かつa+b>0)または(a−b<0かつa+b<0)}をQ(黄色)とするとき,PはQの部分集合でなく,QもPの部分集合でないから,どちら向きの矢印も成り立たない.
たとえば,PであってQでないものとしてa=−2, b=−4を反例とすると,P→Qが偽であるといえる. また,QであってPでないものとしてa=−3, b=1を反例とすると,Q→Pが偽であるといえる. |
《3》 a>bはac>bcであるための( )条件 |
〇→
「a>bであって,かつac≦bc」である例を示せば,「a>bならばac>bc」の反例になる. ac−bc=(a−b)cだからc<0のときa−bと(a−b)cの符号が異なることになる. a=3, b=2, c=−1の場合,a>bであるが,ac=−3<bc=−2となるから a>bならばac>bc は成り立たない. 〇← 「ac>bcであって,かつa≦b」である例を示せば,「ac>bcならばa>b」の反例になる. a=1, b=2, c=−3の場合,ac=−3>ab=−6であるが,a<bとなるから ac>bcならばa>b は成り立たない. 〇⇄ 以上により,a>bac>bc 〇答 どちら向きの矢印も成り立たないから,a>b(であること)は,ac>bcであるための「必要条件でもなく十分条件でもない」 |
《4》 a>bかつc>dはa+c>b+dであるための( )条件 |
〇→
a>bかつc>d ならば a−b>0かつc−d>0 だから (a−b)+(c−d)>0 したがって a+c>b+dが成り立つ 〇← 一般に,2数の和が正(x+y>0)であっても2数とも正(x>0, y>0)とは限らないから (a−b)+(c−d)>0であってもa−b>0, c−d>0とは限らないということを反例で示せばよい a=4, b=1, c=2, d=3のとき a+c>b+dであるがc<dであるから a+c>b+dならばa>bかつc>d は成り立たない. 〇⇄ 以上により,(a>bかつc>d)a+c>b+d 〇答 (a>bかつc>d)は,成り立つ側の矢印(右向き矢印)の |
《5》 a>bかつc>dはac>bdであるための( )条件 |
〇→
一般に,「大きい方と大きい方の積は,小さい方と小さい方の積よりも大きくなる」という常識は,登場するものが全部正の数の場合であり,1つでも負の数が混ざると,この話は怪しくなる.
反例で示すa=4, b=1, c=−2, d=−3のとき,「a>bかつc>dであるがac<bd」となるから a>bかつc>dならばac>bd は成り立たない. 〇← a=4, b=1, c=2, d=3のとき ac>bdであるがc<dであるから ac>bdならばa>bかつc>d は成り立たない. 〇⇄ 以上により,(a>bかつc>d)ac>bd 〇答 どちら向きの矢印も成り立たないから,(a>bかつc>d)は,ac>bcであるための「必要条件でもなく十分条件でもない」 |
《6》 2<xはであるための( )条件 |
〇→
2<xのとき,xは正の数だから,両辺をxで割って変形しても不等号の向きは変わらない. したがって 2<xならば は成り立つ. 〇← x<0のとき(2<xでなくても),が成り立つから ならば2<x は成り立たない. 〇⇄ 以上により,2<x 〇答 2<xは,成り立つ側の矢印(右向き矢印)の |
《7》 はx>1であるための( )条件 |
〇→
のとき,両辺とも正の数だから,辺々を2乗しても大小関係は変わらない. したがって ならばx>1 は成り立つ. 〇← x>1のとき両辺とも正の数だから,正の平方根の大小は変わらない. したがって x>1ならば は成り立つ. 〇⇄ 以上により,x>1 〇答 左右両方の向きの矢印が成り立つから,はx>1であるための「必要十分条件」 |
《8》 はx<y2であるための( )条件 |
〇→
のとき,両辺とも正の数だから,辺々を2乗しても大小関係は変わらない. したがって ならばx<y2 は成り立つ. 〇← x=−1, y=2のとき,x<y2であるがが定義されない. したがって x<y2ならば は成り立たない. 〇⇄ 以上により,x<y2 〇答 成り立つ側の矢印(右向き矢印)の根もとにあるから,は,x<y2であるための「十分条件」 |
《9》 x<5はx2+y2<25であるための( )条件 |
〇→
反例で示す x<5であっても,x=−10, y=0ならばx2+y2>25 となる したがって x<5ならばx2+y2<25 は成り立たない. 〇← 対偶で示す x≧5ならばx2≧25したがってx2+y2≧25 対偶をとると x2+y2<25ならばx<5 は成り立つ. 〇⇄ 以上により,x<5x2+y2<25 〇答 成り立つ側の矢印(左向き矢印)の矢先にあるから,x<5はx2+y2<25であるための「必要条件」 |
《10》 x+y+z≧0はx, y, zのうち少なくとも1つが0以上であるための( )条件 |
〇→
x, y, z<0のとき,x+y+z<0 この対偶をとると x+y+z≧0ならばx, y, zのうち少なくとも1つが0以上 と言える. 〇← 反例で示す x=1, y=−2, z=−3のとき,x, y, zのうち少なくとも1つが0以上であるが,x+y+z<0 したがって x, y, zのうち少なくとも1つが0以上ならばx+y+z≧0 は成り立たない. 〇⇄ 以上により,x+y+z≧0x, y, zのうち少なくとも1つが0以上 〇答 成り立つ側の矢印(右向き矢印)の根もとにあるから,x+y+z≧0はx, y, zのうち少なくとも1つが0以上であるための「十分条件」 |
《11》 xy≦1はx, yのうち少なくとも1つが1以下であるための( )条件 |
〇→
x, y>1のとき,xy>1 この対偶をとると xy≦1ならばx, yのうち少なくとも1つが1以下 と言える. 〇← 反例で示す x=−1, y=−2のとき,x, yのうち少なくとも1つが1以下であるが,xy>1 したがって x, yのうち少なくとも1つが1以下ならばxy≦1 は成り立たない. 〇⇄ 以上により,xy≦1x, yのうち少なくとも1つが1以下 〇答 成り立つ側の矢印(右向き矢印)の根もとにあるから,xy≦1はx, yのうち少なくとも1つが1以下であるための「十分条件」 |
《12》 x>1かつy>1はxy+1>x+yであるための( )条件 |
〇→
x>1かつy>1ならば(x−1)(y−1)>0だからxy+1>x+y と言える. 〇← 反例で示す xy+1>x+yのとき,(x−1)(y−1)>0だから,x>1, y>1またはx<1, y<1 x<1, y<1の場合があるから xy+1>x+yならばx>1, y>1 は成り立たない. 〇⇄ 以上により,x>1かつy>1xy+1>x+y 〇答 成り立つ側の矢印(右向き矢印)の根もとにあるから,x>1かつy>1はxy+1>x+yあるための「十分条件」 |
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