数1/集合 no1
♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,集合(1)のバックアップおよびマイナーチェンジありのカバー版です.
♫♣ 元の教材が通信トラブルで読めないときや,元の教材がなくなってしまったとき(高齢者がいつまでも生きている訳ではない)などに,こちらを使ってください.なお,学習の記録は付いていません.
【単元の目次】
《数学Ⅰ・A》
数と式根号計算場合の数.順列.組合せ確率2次関数2次不等式集合・命題・条件・証明
※このページは,PC用です.スマホでは画面の右半分が見えていない場合がありますので,注意してください.

== 集合(1) ==

【解説】
 ある性質をもつ(ある条件を満たす)ものの集まりを集合といい,集合をつくっている個々のものを要素といいます.
≪例≫ 動物の集合をAとするとき,「いぬ」は集合Aの要素です.「ねこ」も集合Aの要素です.
 「月」は集合Aの要素ではありません.
≪例≫ 10以下の自然数(10以下の正の整数)の集合をBとするとき,1は集合Bの要素です.2も集合Bの要素です.13は集合Bの要素ではありません.
≪例≫ 整数の集合をZとするとき,−3は集合Zの要素です.0.3は集合Zの要素ではありません.
注意:集合といえるためには,ある「もの」を考えたときにその集まりに含まれるか含まれないかが明確になるものでなければなりません.「大きい数」のあつまりのようなものは集合とはいえません.
(例えば100は大きい数か大きくない数かは,比較する基準がなければ決まりません.昭和の前半なら100円のお年玉は大金でしたが,今なら大きいとは言えないでしょう.また,例えば0は小さい数とは限りません.−100と比べれば大きい数です.)
 集合は大文字の英字で表わし,普通は丸く囲んで図示します.
≪例≫
自然数の集合N
整数の集合Z
実数の集合R

【記号】
○あるものxが集合Aの要素であるとき,xは集合Aに属するといい,x∈Aと書きます.(A∋xでも同じ意味になります.)
≪例≫ 正の偶数の集合をE(Even number)で表わすとき,2∈E, 4∈E, 6∈E などが言えます.
 あるものxが集合Aの要素でないとき,xは集合Aに属さないといい,x∉Aと書きます.(A∌xでも同じ意味になります.)
【備考】 集合の要素を表す記号の読み方や書き方について
という記号は,ギリシャ文字のεイプシロンに由来するが,「集合の要素を表す数学記号」として使うときは,ギリシャ文字のεではなく,と書かなければならない.
 英語で「elements of ~」と書かれる箇所を,記号で表したときに登場するから,Eの変形と思っても覚えやすい.
• ISO(国際標準規格)文字 8859-1 LATIN1で,∈ と書けば,になる.(xin A)
 その逆向きは,英語ジョークの雰囲気たっぷりで(逆に読んで),∋ と書けば,になる.
 各々の否定は,∉ と書けば,,∌ と書けば,になる.
• ある数学記号に対して,その否定を表す記号は,多くの場合(右上がり打消し線:スラッシュ:/)を付ければ得られる
x=y の否定 x≠y, A⊂B の否定 A⊄B,  A⊃B の否定 A⊅B
の否定 の否定 ,(ほぼ等しいの記号
まれ(?)に,垂直の打消し線:|で表されることもある.
(ほぼ等しいの記号
x∈A の否定 xA ←高校数学Ⅰの教科書ではK社,T社
まれ(?)に,(右下がり打消し線:バックスラッシュ:)で表されることもある.
の否定 m∥n の否定 m∦n,(ほぼ等しいの記号
の否定 ←高校数学Ⅰの教科書ではS社,D社
※ここで述べた,のうち正しいものを1つに決めなければならないなどという窮屈に考えるのでなく,日本の数学会,米国の数学会,日本の高校教育関係者など各々の組織・団体ごとにメジャーな記号があるかもしれないし,場合によっては出版社が準備できた活字の種類によって決まっているかもしれないので,読むときは「分かればよい」ぐらいに考えればよい.
○集合の表わし方は2種類あります.
(1) 要素を書き並べる方法(外延的記法)
A={1,3,5,7}のように「中かっこ」で囲み,「カンマ」で区切って並べます.
※集合の要素を書き並べるときに,A=(1,3,5,7)のように「小かっこ」で囲んではいけません.
数学では,点のx, y座標を表すP(3,4)のように「書かれている順序も区別するときに」小かっこを使います.P(3,4)Q(4,3)は異なる点です.
これに対して,要素を書き並べて集合を表すときは,どの順に書かれているかに関わらず「何が入っているか」だけを見ます.したがって,{3,4}{4,3}は同じ集合です.
【要点】
 A={1,3,5,7} ←これが正しい
× A=(1,3,5,7) ←小かっこで囲んではダメ
× A=1,3,5,7 ←かっこがないのはダメ
× A={1.3.5.7} ←区切りはカンマに限る
× A={1 3 5 7} ←区切りはカンマに限る
(2) 要素の条件を述べる方法(内包的記法)
次の頁で詳しく述べます.
【問題】 次のうち正しいものをそれぞれ選びなさい.
 (中央の欄の中から正しいと思う選択肢を1つクリックしてください.選択肢をクリックすれば,採点結果と解説が読めます.何も選ばなけば解説は出ません.)
(1)  3は集合Aに属する. 
5は集合Aに属さない. 
6は集合Aの要素である. 
Aは偶数を要素とする集合である.
(2)  1∋A1∈A
1⊃A1⊂A
1≦A1≧A
1∉A1⊄A
(3)  2≦A2<A
2→A2∈A
2∋A2⊃A
2⊂A2∉A
(4)  A={1, 3, 5, 7, 9}
A=(1, 3, 5, 7, 9)
A={1 3 5 7 9}
A=1, 3, 5, 7, 9
A={1. 3. 5. 7. 9}

コメント