♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,必要条件と十分条件(反例)のバックアップおよびマイナーチェンジありのカバー版です. ♫♣ 元の教材が通信トラブルで読めないときや,元の教材がなくなってしまったとき(高齢者がいつまでも生きている訳ではない)などに,こちらを使ってください.なお,学習の記録は付いていません.
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■「この部屋にいる生徒は,全員女子である」という命題が間違っていることを示すためには「この部屋にいるのは,全員男子である」ことを示す必要はなく,「(少なくとも1人の)男子がいる」ことを言えばよい. このように「全部が~である」という判断が正しいのは,本当に「全部が~である」ときだけで,1つでもそうでない例が見つかればこの命題は間違いであることになります. ■「p→q」あるいは「すべてのxについて:p(x)→q(x)」は,集合ではP⊂Qに対応しており,「Pに含まれるどの要素もQに含まれる」ことを主張しています.だから,Pのどの要素もQに含まれていればこの命題は真ですが,Pの要素のうち1つでもQに含まれないものがあれば,この命題は偽となります. ■ このように,p→qという命題が間違っていることを示すには,p→qを1つ示せばよいことになります. p→qという命題が間違っていることを示すような例を,「p→qの反例」といいます. 集合で言えば,P⊂Qの反例は,Pの要素であってQの要素でないものです.
《要点》
命題p→qが間違っているとき,これが間違っていることを証明するには,「pであって,かつqでないもの」を一つ示せばよい.このような例をp→qの反例といいます. P⊂Qが間違っていることを示すには,「Pの要素であってQの要素でないもの」を示します.このような例をP⊂Qの反例といいます. 反例1つで「成立しないことの証明」になります. ※例をいくら並べても「成り立つことの証明にはならない」が,反例を1つ示すだけで「成り立たないことの証明になる」ところが重要です
高校数学Ⅰや数学Aに登場する変数は,特に断り書きがなくても「実数」だとします.さらに制限をつけて「正の数」「整数」の範囲で考えるときは,問題文に示されています.
例1
x+y>0→x>0かつy>0の反例:x=2, y=−1
例2
x=2, y=−1のとき,「x+y>0」が成り立つのに「x>0かつy>0」が成り立たない(y>0がダメ).
そこで,x=2, y=−1は「x+y>0→x>0かつy>0」が成り立たないことを示す反例になる.
「x2が整数ならばxは整数」という命題の反例:
のとき,「x2が整数」が成り立つ(x2=2)のに「xは整数」が成り立たない(無理数である).
そこで,は「x2が整数ならばxは整数」が成り立たないことを示す反例になる. 例3
「ab=acならばb=c」という命題の反例:a=0, b=1, c=2
a=0, b=1, c=2のとき,「ab=ac」が成り立つ(x2=2)のに「b=c」が成り立たない.
そこで,a=0, b=1, c=2は「ab=acならばb=c」が成り立たないことを示す反例になる. |
《問題1》
次の命題は偽の命題です.次のうちこの命題の反例として右の欄から適当な選択肢を選びなさい.(各変数は実数とします.選択肢をクリックすれば,採点結果と解説が出ます.見ているだけでは,これらは表示されません.) |
1 x>1ならばx>2 |
x=0.5x=1.5x=2.5解説を読む |
2 x<1ならばx2<1 |
x=0.5x=1.5x=−2.5解説を読む |
3 xが4の倍数でないなら,x2は4の倍数でない |
x=6x=8x=25解説を読む |
4 x+y>4ならばx>2かつy>2 |
x=0, y=3x=1, y=1x=5, y=1解説を読む |
5 a2>b2ならばa>b |
a=2, b=1a=0, b=1a=−2, b=−1解説を読む |
《問題2》 次の命題が間違っていることを示す反例を1つ示しなさい.(入力は「半角数字」に限定します) |
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