集合の要素を用いた証明
♪♥ この教材は,高校数学の基本問題のうち,集合の要素を用いた証明のバックアップおよびマイナーチェンジありのカバー版です.
♫♣ 元の教材が通信トラブルで読めないときや,元の教材がなくなってしまったとき(高齢者がいつまでも生きている訳ではない)などに,こちらを使ってください.なお,学習の記録は付いていません.
【単元の目次】
《数学Ⅰ・A》
数と式根号計算場合の数.順列.組合せ確率2次関数2次不等式集合・命題・条件・証明
※このページは,PC用です.スマホでは画面の右半分が見えていない場合がありますので,注意してください.

== 集合の要素を用いた証明 ==

【要点】
 集合を表す方法には「外延的記法で表す方法」と「内包的記法で表す方法」がある.
 外延的記法とは
のように要素を書き並べる方法のことをいう.
 内包的記法とは
のように条件を満たす変数の集まりとして書く方法のことをいう.
 条件を幾つも使って


のように書くことができるが,

のようにカンマで区切って並べた場合は,and (かつ)の省略とする.or (または)は省略できない.
 が集合の要素であることは

で表し,が集合の要素でないことは

で表す.

 要素が全くない集合{ }を空集合という.
 空集合を表す記号として,スカンジナビア語系を語源とする零を表す文字が用いられるが,特殊な数学記号なので,微妙に見かけが異なることがある.
(ギリシャ語のファイで代用する場合)
• Ø,ø:ノルウェー語(オースラッシュ,読み方はウー)
• 0̸ (0を加工した文字)
• ∅(空集合を表す国際標準規格 ISO 8859-1 Latin文字)
(空集合を表すTeX記号)
・・・この教材では,上記のいずれかを用いて空集合を表すものとする.ただし,読むときはファイではなく空集合またはempty setとする.
→右上に続く
※以下の問題において,正しいと思う選択肢をクリックすれば採点結果と解説が表示されます.クリックしなければ,解説は表示されません.
【問題1】 Nは自然数全体の集合,Zは整数全体の集合とするとき,各々正しいものを下の選択肢から選んでください.(正しいものをクリック)
(1)
とするとき

(2)
とするとき
であるがではない
であるがではない

(3)
とするとき
であるがではない
であるがではない


【要点】
ならば」が成り立つときと書く.

すなわち,集合の任意の要素が必ずの要素になるとき,と書く.

そこで,を証明するには,集合の任意の要素を使って,その要素が必ずの要素になることを示せばよい.
(※集合の包含関係を証明するために,要素を使う.)

かつのときと書く.

【例題1】


とするときとなることを証明してください.
(証明)
のとき
となる整数が存在する.
このとき
…(*1)
と書けるから



と書ける.すなわち
したがって,


逆に,のとき
となる整数が存在する.
このとき
…(*2)
と書けるから



と書ける.すなわち
したがって,

結局が示された.

必ずしも上記の変形(*1)でなくてもの形になっていればよい.
たとえば,でもよい.

同様にして(*2)でなくてもでもよい.


【問題2】 Nは自然数全体の集合,Zは整数全体の集合とするとき,各々正しいものを下の選択肢から選んでください.(正しいものをクリック)
(1)


とするとき
であるがではない
であるがではない

→右上に続く
(2)


とするとき
であるがではない
であるがではない

(3)


とするとき

(4)


とするとき


【問題3】 Nは自然数全体の集合,Zは整数全体の集合とするとき,各々正しいものを下の選択肢から選んでください.(正しいものをクリック)
(1)


とするとき
ならば
ならば
ならば
ならば
(2)


とするとき
ならば
ならば
ならば
ならば
(3)


とするとき

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